『FLYING SAPAフライング サパ』感想や考察




真風涼帆、カテコ挨拶で感極まる

宙組『FLYING SAPA -フライング サパ-』梅田芸術劇場での千秋楽ライブ配信を観劇しました。

前日や当日でも、どうかすると中止になってしまう可能性がある現況。

無事に千秋楽を迎えられて本当に良かったです。

公演後の真風涼帆さんの挨拶からは、宙組のトップというだけでなく、休演になってしまった他の組の想いも背負っていらしたのかなあと思います。

カーテンコールでは感極まって思わず言葉が詰まってしまった。。。

するとお客さんからは温かい拍手が沸き起こります。

拍手に後押しされて、もう一度トップスターらしく、心のこもった堂々の挨拶をされました。

 

「一回一回の公演が当たり前ではなく絶対なんてない」

「でも心の中の絶対を信じて」

 

真風さんの言葉に思わず爺や(私)ももらい泣きしてしまいました。

さぞや大きな重責を背負って舞台に立っていたことでしょう。うう。

「千秋楽まで無事に」というよくある挨拶の定型句が、定型でなくなるとは。

本当に貴重な貴重な千秋楽でした。

 

2回目の挨拶では、「東京も頑張ります!よろしくお願いします!」的な挨拶。かっこいい!

3回目の挨拶の言葉は失念しましたが、真風さんがだいぶ水星から地球に戻ってきた感じでした。

最後の4回目では、

暑いですし、距離を保って、健やかにお過ごしください」(会場ちょっと笑)

うん、大事ですね!

真風さん、4回もカーテンコールありがとうございました。

 

作品の内容についてですが、正直言いますと、子供の相手をしながらだったので、部分部分記憶が抜けています。いやすみません、もう一度観たい。

私の子供5歳児だからまあまだ仕方ないか、と思っていたらそういえば真風オバクは4歳児。うちのマルコメより年下?クレヨンしんちゃんよりも?なんだか混乱しそうです(笑)。

思い出したもの

ツイッターではサパを例えるなら、ということでいくつか拝見しましたが、私が思い出したのは、

「アドルフに告ぐ」(手塚治虫)。一番これが強く感じました。読んだことある人いますでしょうか?漫画だけどなかなか体力気力奪われる系です。統制が進んで行くとホント厳しい。

最後の希望のあたり、あと全体的な宇宙観は「火の鳥」(手塚治虫)。

あとは…

浦沢直樹「MONSTER」もなかなか。作者同じで「20世紀少年: ともだち 」もそうだなあ。

清水玲子「秘密」はハイテクな脳の解析のあたりが思い出されます。

人によって例えが違うのが面白いです。

地球へ…」(竹宮惠子)

うん、なるほど!

「メロンパンナ 星風まどか、 ロールパンナ 夢白あや」の例えが一番ツボだった。

でも納得です(笑)。

サパ考察

ざっくり全体的な感想です。

全体主義と民主主義

一つの意志にまとめるために、一切の多様性を排除した世界観に重苦しさを感じた。

全体の利益が第一であり、唯一の極端な世界。実際近くにそんな全体主義の国もあるなあと思いながら。サパ粒子のノイズのおかげで強制的な全体主義の理想は破綻。

最終的に民主主義に帰納させているところにメッセージがありそう。

アイデンティティの希求

個人の番号が素数か否か気にする人々。なぜか。

素数とは、「1 より大きい自然数で、正の約数が 1 と自分自身のみであるもののことである」(ウィキペディアより)

他人の思考が自分の意志と関係なく入り込んでくる世界。何者にも入られない、自分だけの数字が素数。ほんのわずかなアイデンティティでも切実に求めていたのだろうか。

ちなみに数の世界には「幸運数」「ハッピー数」なるものがあるそうだ。説明はできません(きっぱり)。

また、素数が「完全数」ではないというのもちょっとグッときます。パーフェクトは息苦しい。

※完全数:「自分自身を除く正の約数の和に等しくなる自然数のことである。」(ウィキペディアより)

地球語の禁止と母なる地球への懐古

水星ポルンカでは地球語は禁止だ。地球への感傷にひたることも、おいそれとできない。

しかし生命維持装置の名称はなんと「へその緒」。

マザー・アース (Mother Earth):「母なる大地」または「母なる地球」を意味する表現がある。

へその緒」の名付け親(総統?)も親子のつながりを大切に思っていたのだろうか。

ミンナ」に対してもはじめは、全体主義がうわべだけの優しさを示したネーミングと感じていたが、最後の方になって総統は、人と人とのつながりや温かな居場所を求めていたのだろうか、など思った。

ちなみに地球語と言えば、実際「エスペラント語」という作られた言葉がある。エスペラントの意味は奇しくも「希望する人」。物語最後の「希望」と繋がってると思うと面白い。

ピカピカした正義の危うさ

全身真っ白の服でサパの人たちを捉える人。

もう何年も前になるが、つい白装束集団(パナウェーブ研究所)を思い出した。また、アメリカにKKK(クー・クラックス・クランアメリカの秘密結社、白人至上主義団体も真っ白集団だ。超怖い。

白くピカピか光るのはもちろん即ち正義ではない。

折しもブラック・ライヴズ・マター ( BLM)運動がアメリカで暴徒化し、大きな問題となったが、時期的にこういった題材が公演されるのはなにか不思議な因縁がある。

正義は行き過ぎれば危うい。そもそも正義の定義も為政者が独裁で決めるならなおさら。暴力はもちろんダメだが。

正義なんて個人の数ほどそれぞれ違うから、最終的には多数決で法律を決めてそれに則っていきましょう、というのが民主主義の基本だ(少数意見は配慮しつつ)。

過去と未来

時間の概念からして覆される。未来の物語だが過去の記憶を求める人たち。

連続した記憶を取り戻す過程において自分や他人に関心が向いてゆくオバク。

簡単にデータを消去できる時代だが、人の心には修正できないバグが生じるものなのだろう。

オバクが自分の記憶を取り戻して、再び人間らしく愛を得られたのは嬉しかった。

ざっくり登場人物の感想

真風オバクは気だるさが絶品だ。近未来感を出しながらもなぜか懐かしい感じがある。真風さんの個性を最大限に活かした役だったのではと思う。そして、眠い気だるいアンニュイな主人公を作った上田久美子氏おそるべし。

 

星風まどかさんのミレナはバッディを思い出した。カッコいいですね。自分の意志がバシッと出ていてオバクと同じくらいの存在感を放っていました。バッディの「怒りのロケット」を彷彿とさせるお姿(個人の感想)も、とっても素敵でした。

 

芹香斗亜さんノア先生。色気ありすぎて診てもらっている間に動悸息切れが増しそう。

パニックになっているときに「僕の顔を見て」って、そのまま気絶させる荒治療ですかね?下手するとそのまま昇天ですよ、先生、気をつけてください!

 

今回紫藤りゅうさんを初めて認識しましたが、涼やかでかっこよかった。彼の周りはいつもマイナス3℃。

 

総統01:汝鳥伶さんは貫禄あります。これぞ専科のお仕事ですね。

ところで総統って何者?すごい能力ですよね。

手下にやってもらうにしろ、設備を新設するには現場監督とか高所作業とか電気工事とかおそらくいろいろあるじゃないですか。

それら作業をまとめられる能力すごい。または意思を伝えるシステムがあるかもしれないけど、それにも開発が必要。いやすごい人だ。

 

キュリー夫人の京三紗さんはファンキーで人情溢れる人。ビジネスもうまい。ちょっとアパホテルの社長を思い出してしまった。サパだけに。いい味出してます。

 

夢白あやさんイエレナ、難しそうな役だと思うけどあの気迫、惹かれました。過去と現在、それぞれの魅力があります。真風さんと寝るシーンにドキドキしたー!でも最後、イエレナとミレナがハグするときもちょっとなにかが生まれれば♡と妙な期待が私の中に生まれてしまった(性癖)。

 

音楽がまた独特でした。でも何一つ思い出せない。一つだけなにかの曲は聞き覚えのある曲(でも失念)。世界観がすごくマッチしていて、プロってすごいなあと思う。世界的に活躍されている作曲家の三宅純さんが楽曲提供されているのですね。

 

多様性について

ノアに乗って旅立つオバク。4歳児が巣立っていったのね。達者でなー!

ノアに乗った人も乗らなかった人もそれぞれ自分の意思で選択したもの。選択したからには責任持って意欲的に生きるのだろう。どちらの選択も幸せを掴んで欲しい。

 

花組「はいからさんが通る」のような少女漫画の世界から歌やダンスがない「フライングサパ」のような世界があり、いろいろあっていい。それが楽しさを広げます。いろいろな人が宝塚を愛することができる。

また、「女のみで演じる劇団」が存在するのも多様性だと思います。

逆にすべての団体において、「あらゆる人種や宗教、信条、性別に関わらず入団させて平等に配役させなければならない」なんてあったらどうでしょう?それは多様性でなく多様性の強制。個性はなくなります。

例えば不可解な采配をする団体があっても法をクリアしていれば認められる。多様性があるから。

それに対して個人が「もっとこうすればいいのになあ」なんてあれこれ言えるのも言論の自由があるからこそ。(誹謗中傷はダメですが。)

また、作中、地球上のいくつか言語が聞こえましたが(もっとあるかも)、人それぞれ故郷を思い出す曲は違うだろう。それぞれの言語や環境は異なるから。

愛や友情など普遍的なもののために。

いやー、上田久美子氏の頭ってどうなってるんだろう(唐突)。ウエクミ先生の作品は観たあともあれこれ考えられて楽しいです。

 

重苦しいのに後味がさわやかな風のようでした。

またライブ配信観れるといいなあ。宝塚の皆様の無事をお祈りしています。

では、このあたりで。ごきげんよう~。

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