「タンゴのすべて」
咲妃みゆさんや鳳翔大さんなど宝塚OGが参加したCD「タンゴのすべて」が10月25日に届きました。
ゆうみさんの退団後初仕事とあって、当ブログでも「タンゴのすべて」関連記事を結構書きましたので、(10記事ぐらいかな?)待ちに待ったCDでした。
ということで、早速聴いてみましたので、感想などいくつかピックアップしてちょっと書こうと思います。
(通勤時間を利用しましたので、じっくりとはまだ聴けていないですけど。)
それでは~。
凰稀かなめさん「ラ・クンパルシータ」と「歌いながら」
どちらの歌も失恋の歌。
はじめ、どなたの声かわかりませんでした。
確認しましたら、かなめさんの女性の声。
タンゴの歌は、歌の中に「レシタード」と言われる詩の朗読があるのが特徴とのことですが、
かなめさんのレシタードがとっても素敵!
男役の台詞もとてもカッコいい声でしたが、もともとの声がいいからだったのですね。
脱力しつつ、しっとり聴かせる、あまく、囁くように。かなめさんの醸し出す空気感を愉しめます。
アルベルト城間「首の差で」
恋の駆け引きにわずかの差で敗れた男の心境を歌っているそうです。
本場の現地語(?)で、舌が巻く巻く。迫力満点で、聴きごたえがありました。
鳳翔大「淡き光に」
ひと時の秘密の愛を語り、踊る。
儚い夢と知りつつも。
大ちゃんのさりげなくカッコいい魅惑的な雰囲気の声。
宝塚OGでは唯一トップスター経験者ではないですが、タンゴのコンサートにも出演。
男役になりゆうみさんと組んだそうで、大活躍ですね。
咲妃みゆ「灰色の午後」
失恋の歌。
唯一の20代?
「あなた」がいなくなり、一人、涙の海におぼれている。あなたを待つ私。
普段のゆうみさんの声とは全然違って、一気に灰色の午後の世界に引き込まれます。
カッコいい声も素敵でたまりません。
姿月あさと「時計」
あなたと二人で過ごすこの一夜が終わることのないように。
時計よ。おまえに心があるならば時を止めてくれ。
やるせない思いの歌詞だが、わりと明るく聴きやすい。
もともとはタンゴではない曲がタンゴにアレンジされたのだそう。
久々にずんこさんの歌声を聴きましたが、やはり聴かせますねえ。
クミコ「チキリン・デ・バチン」
はじめジブリのような世界観を感じましたが、歌詞の内容はすごいです。
不遇すぎる少年、チキリン。
極貧の中、バチン(酒場)でしおれた花を売る少年。
閉店後、月明りの中、食べかすのパンを食べ飢えを凌ぐ。
少年の夜明けに太陽は来ることがない。
母親はそばでうろついているが、それは春を売る仕事のため。
実際、現地ではチキリンのような子は多かったのでは。いや、今でもそうなのだろう。そして千年前からも。
裕福な子がプレゼントを貰う頃、少年は靴を片方だけ盗られる。そもそもこの靴も買ってもらえたはずもない。
度重なる政変に汚職で政治が混乱。救いの手はない。これこそが本当の格差社会。
クミコさん初めて聴きましたが、きれいな歌声です。バンドネオンと相性ピッタリ。
渡辺えり「ロコへのバラード」
これが本作品で一番衝撃的でした。
レコーディングを目の当たりにしたゆうみさんが「震えた」のも想像できます。
渡辺えりさんの歌を聴いたのは、初めてでした。
ゆうみさんの歌声聴きたさに購入しましたが、「ロコへのバラード」の為だけでもこのCDを買う価値が私にはありました。
常軌を逸した狂気の世界。
ある意味、究極の愛。
感想をあらためてかこうかしら。
水 夏希「アルゼンチンよ泣かないで」
タンゴではないそうですが、ペロン大統領夫人、エバ・ペロンの生涯を綴ったミュージカル「エビータ」の主題歌だそうです。
私生児から高級娼婦などを経て、ファーストレディになり33歳で激動の生涯を終えた夫人。
渡辺えりさんの歌で精神を持っていかれそうになるのを、この歌で静かに終えることが出来ました。
おわりに
アルゼンチンのブエノスアイレスの下町で独自の進化を遂げたタンゴ。
「タンゴのすべて」というワードを初めて目にしたとき、リラクゼーションにもいいかも、と思いましたが、実際は、かなり心を揺さぶられるものでした。
感傷的な歌詞が多いかなと思いますが、曲調はダイナミック。
私の個人的体質で、高音の楽器は頭が痛くなってしまうことがあるのですが、この作品のバンドネオンは良かったです。(ちょっと前半痛くなったときがありましたが、後半で慣れてきたので(多分感情移入したかと)後半の感想が多くなったという事情がありましてすみません)。
まだまだ、聴き始めですので、これからじっくり聴いていくと、また新たな魅力を感じられるのではと思っています。
※追記(その後、慣れてきまして聴けば聴くほど味わい深くなってきました)
そして、ゆうみさん、やっぱり素敵~!新たなゆうみさんの歌声でした。
今回はこちらのCDの感想でした。
ダンスのイメージがあったタンゴですが、今回の作品で音楽としてのタンゴの魅力を知ることができたことが大きかったです。
お読みいただきありがとうございました。
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