島原の乱と配役と情勢『MESSIAH(メサイア)』に向けて




メサイアに向けて

こんにちは、はぴごろもです。

花組公演『MESSIAH(メサイア) −異聞・天草四郎−』をできれば観たいと思っています。

歴史を参考にした作品は大半はファンタジーだと思っているので、創作物を楽しむスタンスで観ています。

でもせっかくですので歴史も知っていた方が予習にもなりますし、勉強にもなります。

史実とファンタジーの境界線はどこかしらと思ったりもします。

そこで少々島原の乱あたりの歴史を見てみようと思います。その前に配役を。すべてではありません。

配役

天草四郎時貞(明日海りお)

1621年か1623年〜1638年

10代半ばで島原の乱の指導者に。謎が多い人物。カリスマ性があったようだが、キリシタンたちが精神的支柱にするため神格化したか。

天草四郎が豊臣秀頼の落胤であるとする説もあるようだが信憑性は低い。

ポスターの明日海りおはカリスマ性を持った人物を演じるに大いに説得力がある。彼は島原の救世主となり得たか、それとも…?

父は益田甚兵衛(一樹千尋)

一揆首謀者の一人。

姉は福(桜咲彩花)、つる(花野じゅりあ)

妹は萬?(舞空瞳)

山田右衛門作(柚香光)

南蛮絵師。島原の乱反乱軍唯一の生き残り。「天草四郎陣中旗」は国の重要文化財。島原の乱副将。妻子は反乱軍に切られる。公演ポスターを見ると、一見天草四郎の仲間のようだが違う方向を見ている。物語がどう展開するか。

芦塚忠右衛門(航琉ひびき)、芦塚忠太夫(舞月なぎさ)

親子、父は反乱軍の軍師。

松島源之丞(和海しょう)

反乱軍。大将。

三宅藤兵衛(羽立光来)

キリシタンだったが棄教し、反乱軍と戦い敗れて自刃。

松倉勝家(鳳月杏)

島原藩の藩主。圧政を敷く。かなりわっるい人で描かれるでしょう。悪役をうまく演じることができる人がいると舞台は臨場感に溢れます。期待したい。

松平信綱(水美舞斗)

江戸時代大名、老中。才知に長けた人物。島原の乱幕府側を率いる。家光(紅羽真希)、家綱(聖乃あすか)に仕えた。冷静に情勢を俯瞰して見ることができそう。作品の重要人物になりそうだ。

鈴木重成 (綺城ひか理)

マイティ信綱に従い島原の乱に参加。

流雨(仙名彩世)

不明。架空の人物か。

島原で四郎と淡い恋があるか。運命に翻弄されそうだが、ポスターでは希望を見いだしているようだ。彼女の未来に映るものは…?

咲(城妃美伶)

架空の人物?戦いばかりでは疲れるので作品のオアシスになるといいかも?

反乱のきっかけ

ウィキペディアでは島原の乱を下のように説明しています。

島原の乱は、松倉勝家が領する島原藩のある肥前島原半島と、寺沢堅高が領する唐津藩の飛地・肥後天草諸島の領民が、百姓の酷使や過重な年貢負担に窮し、これに藩によるキリシタン(カトリック信徒)の迫害、更に飢饉の被害まで加わり、両藩に対して起こした反乱である。

国内外の記録にも残っているそうで、事実と考えられ、かなり切迫した状況だったようです。

苛烈を極めた圧政。島原の乱を重く見た幕府は松倉勝家には前代未聞の厳しい処分。自業自得であった。

禁教の背景は?

勝家の失政はダメなものでしたし、幕府に事実を隠そうとしたこともさらに咎められるべきことだった。では、そもそもなぜ当時キリスト教の禁教は厳しくなったのでしょう。

私は歴史を見るのにそこの部分だけではなく大きく世界を見なければと思っています。

ちょっと遡りますが、世界は大航海時代に突入しました。

世界の動き

1494年、コロンブスが「新大陸」を発見してからというもの、世界は急速に先んじたスペインとポルトガルによって植民地化されていきました。

両国のゴタゴタを防ぐためトルデシリャス条約が結ばれました。世界を我ら2か国で西側と東側とで分けようね、という条約です。

次々と陸地を見つけては植民地化します。

そしてその後1529年にアジア方面も分けることに。(サラゴサ条約)

スペインとポルトガルの条約上、なんと日本も133度線(島根・岡山)で分けられてしまいました。

日本は16世紀は信長と秀吉の時代。信長のころは彼らを保護しました。

秀吉の時、イエズス会に正式にキリスト教布教を許可します。

しかし諸説ありますが、その後日本人が海外に奴隷として売られた、大砲など大量の武器を国内に持ち込んでいる、などの情報が秀吉の耳に入ったようです。既存の神社仏閣への迫害も伝えられています。

彼らにとって「野蛮な」未開の地を武力をもって制することは彼らにとって当時は正義とされました。

文明が発達する地域ではまず布教で下地を作りました。日本では毎年1万人もの人が新たに洗礼を受けていたのだそう。

段階的に厳しくなっていった一連の禁教は、これらの勢力から国を守るための予防措置であったと考える見方があります。

南蛮貿易はとても実利が大きい。しかしこれらの実利を捨てても鎖国をしたのですね。(オランダとは貿易が続きましたが。つまりキリスト教の布教を防ぐための鎖国)

他の考え方もあるとは思いますが、冷静に考えいくと自然ではないかと思います。

実際飢えて疲弊し訓練を受けていない農民が鍬を持って立ち向かったところでしれています。

小西行長・加藤忠広の改易により大量の武士が浪人となりくすぶっていました。

訓練された浪人たちに豊富な武器弾薬など備蓄があったからそれだけ持ちこたえたのでしょう。

ユネスコ登録へ

ところで、5月4日、ユネスコ機関より「潜伏キリシタン」世界遺産に登録勧告されました。宝塚的にはタイムリーですが、「潜伏キリシタン」ってなに?「隠れキリシタン」とは伝えたいニュアンスが違うのか。

元々は「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」で登録を目指しましたが、2016年に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に変更されました。

ニュースによると、ユネスコの諮問機関イコモスが、日本の特徴であるキリスト禁教期に焦点を当てるべきだ、との助言があったからなのだそう。

禁教期のキリシタンの様子を知ることと同時に日本の事情、そして世界はどのように動いていたのかを知ることが大事だと思います。

だいぶ逸れましたが、歴史は一面を見ただけではわからないことも多い。

藩の失政は事実でしょうが、本当の弱者とは強大な勢力の狭間でやむなくどちらか側について戦に加わざるを得なかった民たちか。

ということで一揆軍ではなく反乱軍という表現にしました。(一揆とは意を一つにまとめた集団の意味があるため)

幕府に内通していたとも言われる、島原の乱ただ一人の生き残り山田右衛門作(柚香光)の描き方が気になります。

ちなみにその後、ポルトガルはスペインに併合されそのスペインはヨーロッパで戦争続きで衰退。ヨーロッパは植民地の奪い合いで戦争が続きます。

キリスト教を禁教して鎖国をし、巻き込まれるのを防いだ一面があるかも。何かが違っていたら今の日本は日本でなかったかも、と思ったり。

話が作品から逸れましてすみません。

作品は「異聞」や「新たな視点で」とありますのでどんな感じになるのか楽しみです。

明日海りおさんはじめ花組の皆様の作品を楽しみに。

よろしければこちらもどうぞ。先行画像からのイメージしたことを書きました。

メサイア明日海りお先行画像は闇が広がるタナトスか?

お読みいただきありがとうございました。

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