割愛はツライよ
こんにちは、はぴごろもです。
宝塚や外部の素敵な舞台を観劇したあと、欲しくなるのはDVDやBlu-ray、CDなどの円盤です。
観劇には行けないけれど、せめてDVDなどで観たい、という方も多くいると思います(私も)。
そこでいつもハラハラするのが、
「下記楽曲使用シーンにおきましてボーカルの割愛及び楽曲の差し替えがございます。あらかじめご了承ください。」
の注意書き。
にわかにご了承したくないですよね。
むしろそこが聴きたかったのにー!(ToT)
ってなります。
過去、タカラヅカスペシャルのDVDを買って観ていると、メドレーで急にそこだけボーカルがカットされているところがある!ジェンヌさんもファンもこれはツライ!(2017年分はカットなしです)
早霧せいなさんの退団後初のコンサート『SECRET SPLENDOUR』もかなり影響がありました。
「収録にあたり、一部の楽曲使用について許諾の取得が難航している状況でございます。
公演で使用された楽曲を1曲でも多くDVDに収録できますよう、権利者との交渉を続けてまいりますため、」(TCAさんHPより)
とあり厳しい状況であったことが窺えます。3月23日発売予定だったDVDが6月15日に延期になり、交渉の成果は不明ですが、結局11曲が収録されず。
ぬぬぬ、「一部」って結構ですぞー!こんなに引っかかるとは、厳しい!
早霧せいなさん主演の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」も許諾の関係で円盤化がないのかしら?
また宝塚で直近ですと、宙組がありました。
『シトラスの風―Sunrise―』
【おことわり】
音楽著作権上の都合により、第15場「♪私のいとしいお父さん(O mio Babbino caro)」(歌唱:星風)はヴォーカルを割愛して収録いたしております。(TCAさんHPより)
おおお!まどかさん!お披露目公演で(いやお披露目でなくとも)これは無念!
この「O mio Babbino caro」という曲はイタリア人のプッチーニが作曲しています。
ということはプッチーニがまだ著作権持ってるの?
いえいえ、彼の死後からすでに100年近く経っており、作曲者の著作権は消滅しています。
ジャスラック(日本音楽著作権協会)が管理する検索データベース「J-WID」でこの曲を調べてみましたら、編曲者や出版社に著作権があるようです。
音楽著作権は法・条約で守られている
音楽著作権は非常に複雑です。
その楽曲がジャスラックに全て信託されていれば、ジャスラックの規定に従うことになります。使用範囲や目的により細かく規定されています。
ジャスラックの非管理楽曲の場合は、それぞれの著作権所有者との交渉です。
外国間はベルヌ条約などにより相互に著作権が守られます。
著作権は守られなければならないものであり、楽曲を円盤に収める難しさを感じます。
そうした状況の中、映像化するにあたり公演でその時だけ英語の歌唱をする場合があります。
訳詞もなかなか収録の許諾が下りないのですね。
でもこうした工夫で割愛をなしにしてくれるのはありがたいです。
ちなみに宙組『クラシカル ビジュー』は、
「S4 ♪Comin’ Home Baby(歌唱/星吹彩翔、瀬音リサほか)はスキャットによる歌唱にて収録」(TCAさんHPより)
とあります。スキャットによる歌唱。そんな方法もあるのですね。
楽曲利用はDVDなど映像化する場合が金額がとても高いようです。外国の会社が管理するものは規定はそれぞれ、しかも結構高いのだそう。
そもそも許諾されない場合も多い。
権利を持っている側がどうしても強いですね。メシのタネですから仕方がありません。
割愛&差し替えを防ぐには
宝塚では自前で作詞作曲をしています。
ボーカルの割愛などを避けるには、
・オリジナルの曲、歌詞を使う
・著作権が消滅している楽曲を使う
日本ではざっくり言うと作った人の死後50年。実際はもう少しいろいろあります。
・あらかじめ許諾が取れるか確認してから利用する
しかし外国との交渉は異常に時間がかかりそうなイメージ。
となると上二つが無難ですね。または英語やスキャットで歌うことによりクリアできる場合もある。ハミングでもタカラジェンヌのハミングは心地良い。
再演ものでしたらそのあたりの許諾交渉の手間も省けるのですね。
いろいろありましてとても把握しきれませんが、映像に残すのならば極力ボーカルの割愛や映像の差し替えが行われることのないようにして頂きたいです。
生の舞台とのバランスは難しいところがあるでしょう。
しかし、購買意欲が削がれることのないよう、また素晴らしい作品に一部の割愛もないよう、これからも是非考慮して作品を作って頂きたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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