真彩希帆ミュージックサロン『LaVoile』ライブ配信感想。~「歌うま」を超える表現力~




真彩希帆ミュージックサロン開催おめでとうございます!

真彩希帆ミュージックサロン『LaVoile』

9月7日夜の部をライブ配信にて観劇しました!

本当に素晴らしくて、感動でうち震えてしまいました。

遅ればせながらその感想を書こうと思います。

文体を変えさせて頂きますね(私の書きやすさの都合により)。

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9月7日、昼間の部を視聴された方の熱量が高く、SNSを通じ興奮が伝わってきた。

私もかなり期待をして胸を踊らせていた。

ワクワクできることは幸いだ。

望海風斗さんにも共通するが、彼女にはどれだけ期待しても大丈夫な気がする。

 

実際、真彩さんは期待値をはるかに超えたプロフェッショナルなエンターテインメントの世界を次から次へと生み出し、魅せてくれた。

本当にすごい。

まるで魔法も使える天使のよう。

しかしトークで和やかな雰囲気を醸し出す等身大の真彩さんは、どこまでも笑顔の似合う魅力的な女性なのだ。

出演者の男役(綾凰華、眞ノ宮るい、一禾あお、壮海はるま)とのトークでは真彩さんは素敵なお姉さんに。

歌からのギャップがまた、たまらない。

男役たちも真彩さんとの共演で男役度が増したのではないかと思う。

それぞれの男役の魅力をさりげなく引き出す、真彩さんのお人柄も大きいだろう。

「歌うま」を超えて魅せるもの

真彩さんに対して、私はもはや「歌がうまい」という感想は湧いてこなかった。

おそらくそれは望海さんとともにトップになったあたりからだったと思う。

もうそのはるか上の領域なのだ。

もちろん歌はとてつもなくうまい。

技術的にも高度なのは間違いない。

しかし、「歌唱力」「技巧」を殊更に感じさせず、それぞれの歌の世界観を届けることが、真彩さんにはできるし、そこをなによりも大事にしているのではないかと思う。

「歌唱」という表現方法により「歌唱の巧さ」を伝えるにとどまらず、歌によって「情景」を創り出す。

 

すみれの花を咲かせたり、

音楽学校受験の課題曲:松島音頭の世界になったり。

(余談だが、松島音頭はてっきり真彩さんが自発的に歌ったのかと思っていた。課題曲から選んだのか。)

娼婦の館の主になったり。

マダムヴォルフはぜひ聴きたい!と思っていた曲。圧巻だった。)

ジャズはクールでカッコいい。

海外ミュージカルでは、

「ME AND MY GIRL」「顎で受けなさい」(どちらも『ME AND MY GIRL』より)

でサリー(とビル)の世界ができていた。

これまですべての組を組み替えにより経験してしている真彩さんだが、過去の公演の曲も何曲も歌ってくれた。

私は宝塚の作品で知らない公演がたくさんあるが、真彩さんの歌に触れ、もっと過去の作品を観てみたい、と思った。

望海風斗さんのスペシャルミュージックビデオ「Special Blu-ray BOX FUTO NOZOMI」の中で望海さんが「宝塚の歌を聴いて、宝塚っていいな、宝塚の過去の作品も観てみよう、というきっかけになれれば」(ニュアンス)的なことを仰っていた記憶があるが、真彩さんの歌にもその効力があると思う。

 

一人でも舞台空間を埋められる力量。

デュエットでは調和。そこから生まれる愛の物語で魅力する。

複数の男役のなかにあってはキュートであったりかっこよかったり。

世界をガラッと変えられ、その世界はどれも心地が良い。

「歌がうまい」からこそ「歌」に因われない。

「宝塚」や「娘役」という枠はあるのだろうけど、そこはきちんとタカラジェンヌでありながら、歌の可能性を無限に感じさせてくれた。

「歌うま」を超えて、自由に解放されているから、彩り豊かな情景がどこまでも拡がるのではないかと思う。

『ダンスはやめられない』で感じた真彩希帆の度量の大きさと未来の可能性

後半、私は初めて聴いた曲に衝撃を受けた。

そう呟いたら親切なお方が教えてくれた。

ミュージカル「モーツァルト!」の妻コンスタンツェが歌う『ダンスはやめられない』という曲だそうだ。

(ありがとうございます!)

それまでの美しい歌の情景から一変。

殺伐・退廃的な雰囲気に利己的な妻:コンスタンツェ。

夫に「インスピレーション」を与えるためと理由をつけて、家事をほおって毎夜ダンスパーティへ行く。(のかな?)

「乞食」「流れる血」など歌詞にもインパクトがある。

(歌詞はこちら:ジョイサウンドHP

とにかく真彩さんの視線、表情、仕草も加えた歌唱の表現力にすごみを感じ、ゾクゾクした。

まだまだ知らなかった真彩さんの魅力であった。

歌を聴いて、またしてもこの公演が気になった。

 

それにしても、退団を発表して最後のミュージックサロン

この曲はなかなか選べないと思う。

トップ娘役なら「私だけに」(「エリザベート」)が歌いたいしみんな聴きたかろう?

ではなく(聴きたいけど)、

エリザベートからは「マダムヴォルフのコレクション」を選び、そしてこの「ダンスはやめられない」が選ばれた。

それはトップ娘役であり、比類なき実力に裏打ちされた豊かな表現力を持つ真彩希帆だからできたことだったのではないかと思う。

もともとの素質・才能に加え、長年各組で研鑽し、積み上げていった娘役としての器の大きさ。

そして人間としての度量の大きさ。深み。

組み替え最後となった雪組で望海風斗さんとコンビを組んだことで、さらに加速度を増して表現力を磨いていったのだろう。

ミュージックサロンで多彩なジャンルを詰め込んでも、決して散漫になることはない。

美しい世界を仕上げるプロフェッショナルな力量。

たしかなものがあるから、天国にも、なんなら地獄にも観客を旅させることができるし、観客も安心して身を委ねることができる。

宝塚の作品の歌を聴き、過去の作品も観てみたいと思った。

そして「ダンスはやめられない」については世界観に引き込まれたあと、曲調に反して明るい未来も感じることができた。

未来へ出航する”真彩希帆号”の「帆」をダイナミックに揚げる一曲になったと思う。

「My everlasting dream」

伝説のミュージックサロンと後世語り継がれることになるかもしれない。

そのくらい心地よく圧倒され、魅了された時間だった。

アンコール曲は真彩さん作詞の「My everlasting dream」。

歌詞からは真彩さん自身の軌跡から未来へ向かう夢を感じさせてくれる。そして唯一無二の奇跡コンビ、望海風斗さんのことも思い浮かぶ。

夢は永遠に続く。明るい未来に向かって。

 

真彩さんはどんな時でも、優しい風に包まれ、これからもますます夢を実現させてくれるものと期待している。

 

お読み頂きありがとうございました。

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