こんにちは、はぴごろもです。
コロナの影響により長らく休演を余儀なくされていましたが、7月半ばになり各劇団の公演が再開されようとしています。
劇団四季は本日7月14日より「ライオンキング」(東京)、「マンマ・ミーア!」(横浜)が上演されます。
再開おめでとうございます!!
何年も前のことですが、どちらの公演も観劇したことがあります。役者も楽曲も演出もどれもこれも素晴らしく、夢のような時間を過ごしたことは、いつまでも忘れません。
コロナ禍における現在の情勢は、正直気がかりです。
しかし、企業の対策として劇団四季や宝塚歌劇団など多くの劇団は、クラスターを発生させない、という強い意志のもと、これでもかというほど対策を講じていることと思います。
観劇される皆々様もどうぞ、ご安全に観劇されますことを~。
さて、今回は基本に戻って、舞台用語「上手・下手」のお話です。
どっちが上手(かみて)?下手(しもて)?
一人で舞台の映像のみを観ていたころは気にも留めなかったのですが、舞台用語を知っていたほうが理解できて、より楽しめるかもと思う時があります。
今回は舞台の基本中の基本であろう「上手・下手」のお話です。
舞台を観劇された方の感想などで「〇〇さんが上手から登場して」とか「下手にはけて」など目にすることがあります。
さて、舞台のどちらが「上手(かみて)」でどちらが「下手(しもて)」なのでしょうか?
約半年前、私は久々に生の宝塚の舞台を観劇するにあたり、舞台の基本である「かみて・しもて」は覚えておかねば!と思ったものでした。それにあたりちょっとついでに調べたことなどを書いてみようと思います。
答えを先に書けば、客席から向かって右側が上手。左側が下手です。
スッキリしました!終わりです。
忘れない覚え方は?
いや、しかし頭のメモリの容量不足に悩むワタクシ。今覚えたつもりでも、ちょっと経てば「あれ?どっちがどっちだっけ?」と、なってしまうんでないの?マチネやソワレのように覚え方があるだろうか?
このときは結局、「マチソワ」で覚えましたが(笑)。
観劇を嗜んでいらっしゃる方々はどのように覚えているのか。そのまんま覚えている方も多くいるとは思いますが、調べてみます。
すると、学校の体育館のステージ上のピアノの位置が下手だ!との覚え方。
「ピアニッシモ」なんてのもWikipediaにありました。
ピアノがシモね。なるほど~、うまい!
しかしだな、「学校の体育館のステージ上のピアノの位置」を思い出すのに少々時間が掛からないだろうか。しかも○十年前ともなると、中には思い出せない人もいるのでは?
他に良い覚え方はあるかな?
「舞台の花道は下手側」
なるほど。
花道は演者の「出入り口」に当たるので、「下」のイメージ。奥、つまり向かって右側が上手になるわけですね。ふむふむ。
しかし、これも慣れていないとちょっとイメージに時間が掛かるかも…
もう、ダイレクトにイメージで覚えましょうか?
どちらかを覚えましょう。右手がカミテ。これでいきます?
よし、右手が上手。右がカミテ。みぎかみ…ちぎみゆ(←いや、違う。個人的間違い)
みぎかみ…みぎかみ…
みかみ!
ミカミさんね。これでようやく覚えました。たぶん忘れないだろう。
ちなみに誰か「みかみ」を先に考えた人がいるかも、と思って調べてみましたが、今のところ発見されず。(たぶん皆さま苦労しなくても覚えられるから)
ということでワタクシのオリジナルの覚え方、かも(←保険)でございます。
ちなみにこの記事を公開したところ、宝塚ブログ界の”すみれの里”(と私が勝手に心の中で呼んでいる)「風のワルツ」のうさぎ様よりコメント頂きました。
「因みに私は「ヒダリッシッシモ」と名付けました」と。
おおっおもしろい!
宝塚雪組公演『fff -フォルティッシッシモ-』~歓喜に歌え!~」のなぞりですねー。コロナの影響で延期になっていますが、本来なら7月に公演される予定でした。
ヒダリッシッシモだとちと長いので実際使うなら「ヒダリッシモ」がいいかも?でもついついヒダリッシッシモも言ってみたくなります。
うさぎさんのセンスに痺れました。ありがとうございます♡
なぜ右側は上手なのか?
なぜ上手は上手となりしか。
これは日本の伝統芸能の「能」が源流。そして「歌舞伎」にも。先に書いた「花道」が下手(しもて)だからですね。
ではさらに、なぜ左側が花道、下手になったのか。
舞台上の人から見れば、下手は右側です。
左側が上手。
左が上位の位置として上手なのだとか。
僻地の閑職に飛ばされる「左遷(させん)」なんて言葉もありますが、「左大臣」「右大臣」となると「左大臣」が上位です。さて、左右どちらが優位なのでしょう。
古代中国の影響を受ける
歴史的に日本は古代中国の影響を受けています。古代中国も国自体が民族からして丸ごと代わっていますので、時の為政者により価値観も大きく変化しているのですね。
前の王朝を完全否定するべく、昨日まで右が偉かったけど、今日から左の方が偉いことにする!なんてなったのでしょう。
「天子(皇帝)は南面す」という言葉があったそうで、天における不動の北極星を背に、皇帝は南を向いて座る、というのも日本の天皇は影響を受けたようです。
そもそも日本の神も南面す?
でも、日本は古代中国の影響を受ける前に、そもそも神は南向きだったのかも。日本の神社の多くは南を向いています。
やっぱり日本の気候では、感覚として南向きの陽当たりがいいのではないでしょうか?光り輝いて神々しさを感じられる、南向きの造りで神社を建てたいですよね。湿気とか建築の管理維持を考えても。
そしてもっと遡ると、太陽神であるアマテラスにアマノウズメが踊ったり歌ったりしたのが日本における芸能の始まりとされています。
アマテラスさんが天の岩戸に籠もってしまって世の中真っ暗になってしまったので、ウズメさんが一生懸命踊って観衆である神々たちを盛り上げました。
ウズメさんは日本で初の舞台人として成功を収めた人(いや神か)、無明の闇から光を導きだした偉大なるエンターテイナーかもしれません。
そのような神話が記された「古事記」には後世にも役立つ普遍の価値・ヒントがたくさん含まれています。困難な時代を切り拓くきっかけになるのは芸能である、ということもその一つであるとも考えられます。
話が若干逸れていますが、日本の神はもともと南向きに鎮座。神から見て左右の優位性は時代による、というところでしょうか。
説として「左」は「日照り」であり、日が照るから神聖であり左が優位になった、というものがあります。
明治以降は西洋の「右が優位」である儀礼を取り入れ、昭和天皇の時代、天皇皇后両陛下の左右の並びが正式に変えられたそうです。
英語圏では正しいことは「right」です。正しければ権利「right」もありますね。これはキリスト教が関係しています。キリストは十字架に架けられて昇天しました。そして神の玉座の右に座ったのだそうです。
世界各国では左右の優位はそれぞれですが、宗教観に依るところが大きそうですね。
海外では「上手・下手」はなんと呼ぶか?
英語では上手・下手はなんと言うのでしょう?
客席から見て右側・上手はStage Left、左側・下手はStage Right、なんだとか。
えっ!ほんとに?
演者目線で右・左とな。向かってみると左右逆になるけど、混乱しないのかなあ?
そう思うと日本の「上手・下手」は立ち位置関係ないので、いい用語だな、と思います。
ヨーロッパでも呼び方はそれぞれ。フランスは左右ではなくてまた別の言い方。
ちなみに上手はcôté cour(中庭側)、下手は côté jardin(庭園側)。
これは王立劇団コメディ・フランセーズ上手側にルーヴル宮殿とテュイルリー宮殿の中庭があり、下手側にテュイルリー庭園があったことに由来するのだそう。
舞台用語は各国マチマチなのですかねえ。
ということで、
右が上手(かみて)でみかみ、です。そしてヒダリッシモもいい!
読み仮名つけないとまだまだ「じょうず・へた」と読んでしまう、観劇初心者:はぴごろもでした。
意外と長くなりましたが参考になりましたら幸いです。
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ああ、また観劇したいものです。
お読み頂きありがとうございました。
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