原作『風のゆくえ』を読みました
雪組公演『はばたけ黄金の翼よ』の原作『風のゆくえ』(粕谷紀子作)を読みました。
まだまだ『壬生義士伝』の原作を読み終えていないのでどうしようと思っていたのですが、多分そちらはまだ数カ月かかりそうな勢いなのでちょっと置いておきます。(そしてそれまでの話を忘れ、スタートに戻る…)
『風のゆくえ』は1980年に発表された漫画です。40年近く前の作品ですが、今読んでも惹き込まれる面白さがありました。
はじめは雪組のキャストを当てはめて想像しながら読んでいましたが、物語の力でいつの間にかその変換作業を忘れて一気に読んでしまいました。
もう一度思い出しながらちょっと登場人物を振り返って宝塚のキャストに絡めて想像してみます。
元雪組トップスター麻実れいさんの退団公演だったそうで、34年ぶりに蘇るのですね。よく思うけど、宝塚ってすごい。
タイトルは『風のゆくえ』より『はばたけ黄金の翼よ』の方がアグレッシブで未来を拓いていくイメージがします。
登場人物が軒並み濃い!
さて、中世イタリアが舞台です。雪組にとってイタリアは新鮮ですね。
権謀術数が渦巻く時代の中、良くも悪くもみんなキャラが濃くて魅力的です。
ヴィットリオ・アラドーロ(望海風斗)
イル・ラーゴのイケメン領主。勇猛果敢で才気煥発。利用できるものはなんでも政争の具にしてしまう。利用価値がなくなれば誰でも即座に捨てる非情な男。自身も常に命を狙われる。
チェーザレみたいな人かなと思ったが、「はばたけー」の方ではチェーザレ出てくるのね(橘幸)。あのチェーザレ?ミゲルが側近?違うかもしれないけど。
ではヴィットリオは、北島マヤに商品として冷たくあしらう速水真澄(「ガラスの仮面」)のような人に近いだろうか。でもいつの間かマヤの魅力に惹かれちゃうのよね。
なんしょ男前で望海さんにもとっても合いそう。強引なところがまずときめきポイントでしょうか。(個人的には強い男が縛られて鞭打たれているところも…おいっ!)
クラリーチェ・デル・カンポ(真彩希帆)
カンポ公妾の娘でめっちゃ可愛い。「カンポ」が頻出するのでサブリミナル効果を狙って宝塚の方はかんぽ生命の冠公演かもと思ってたが、関係なかった。さすがに主張が過ぎるか。
ある日突然修道院、そしてある日突然ヴィットリオの妻に。しかしどんな過酷な状況下でも自分を持ち、流されずに生きていく。実際水牢から満潮を利用して脱出した時も強い水流に流されずに生還した。すごいな。どうかするとヴィットリオ以上の度胸、逞しさがあり、変幻自在。可憐で強い。生き様すべてに惚れてまうわ!
これを真彩希帆さんが演じると思うと、嬉しい!ぴったりじゃないですか!「ひかりふる路」から剣術も上達しており、父を殺めたヴィットリオの敵討ちとしてなかなかの深手を負わせている。やると決めたらやる人。いいぞ!望海さんの包帯姿も楽しみだ。あるのか知らないけど。
楽しみなのがクラリーチェの変わるさま。修道院、嫁入り、少年の扮装、侍女、成長後のお姫様、1作品でいろんな姿、表情を見せてくれそうだ。
シントラ(舞咲りん)
ヴィットリオに嫁入りした先の、ちょっと怖いけど良い世話役。これもイメージ湧きます。いい味出してくれそう。
教皇(奏乃はると)
こちらもぴったり。原作に顔を寄せてきそうです。
ファルコ・ルッカ(朝美絢)
さあ、来ました!元側近中の側近にしてその後望海ヴィットリオを鞭打つ人!冷酷な表情。サラッとした髪からのぞく冷たい目が楽しみ。でもファルコは冷たいばっかりではないのですよね。あーさファルコを美味しく頂きたいです!
ロドミア・ルッカ(朝月希和)
ファルコの妹でヴィットリオを愛している。片想いの愛ゆえに…ああ、好きです、ロドミア。
ジュリオ・デル・カンポ(永久輝せあ)
クラリーチェの兄。ヴィットリオと謀略合戦。覇権の為なら甘いマスクで妹をも騙す。怖いわねえ。馬脚を現した時の表現が楽しみ。永久輝さんがこの役やったらさらに深みが出そう。
ビアンカ(彩みちる)
敵対する国の領主モンテッキの娘。クラリーチェとは逆に公妃になるべく育ってきた人。対照的な人物がいるのは面白い。ビアンカもまた、その時代の理不尽さを感じつつも精一杯生きていたのかも。
原作の絵は↓こんな感じ。まだ望海さんの髪形が想像できないけど絶対カッコ良さそう。真彩さんは可愛いくて美しくてカッコ良さそう!
すべて書ききれず登場人物はここまでにしますが、雪組の充実度を活かした壮大なストーリーを存分に楽しめるのではと期待します。
お読みいただきありがとうございました。
コメントを残す