こんにちは、はぴごろもです。
2月10日の『ファントム』のライブビューイングを楽しみにしているのですが、そうそう、
そういえば宝塚大劇場のライブビューイングの感想の途中でちょっと書けなくなっていました。
だいぶ失念してしまいましたが(もったいないのう)、物語の中で大きな場面、ファントムことエリック(望海風斗)にクリスティーヌ(真彩希帆)が仮面を外して素顔を見せてと迫る場面だけ、その時私なりに感じたことを書いておきたいと思います。
地上の人々に拒絶される「醜さ」を仮面で隠して暗闇で暮らしていたのに、可愛い天使の声の持ち主:クリスティーヌに迫られてようやっと仮面を外したところ、彼女は悲鳴を上げて立ち去ってしまう…おお、なんてこった!
言葉でさらっと状況だけを書いてしまうと「ちょっと!クリスティーヌ!!」と小一時間説教を垂れたくなってしまいそうですが、ここはいかがでしたか?
早霧せいなさんも仰っていましたが、25歳以上でその行動であったら、たしかに私もちょっとどうかと思います。
一つはクリスティーヌまだまだ若かったのだろうなと思います。純粋過ぎた。
潤色・演出された中村一徳先生によるとキャラクターの年齢はこうなのだそう。
(中村先生「ファントムを語る」のトークに参加された方のレポを拝見させて頂きました。)
・エリック28歳
・クリスティーヌ22歳
・キャリエール55歳
・シャンドン28歳
クリスティーヌ22歳。セーフです。
世間の闇を知らず、光の中で夢いっぱいに育っていれば、こうなることに思いが至らなかったのも致し方なしかな。
一方、エリックはどうか。
クリスティーヌの天使の歌声。自分を見つめる聖母のようなその瞳。優しく包んでくれようとする柔らかなその手。
自分の幼き頃、無条件に至福の愛を注いでくれた我が母を彷彿とさせる。
あの歌を通して人生の苦悩のトンネルを再び戻るかのように、28歳のエリックは一気に5歳児くらいまで精神が逆行したように感じた。
何も隠す必要はなくすべてを受け入れてくれる存在がそこにいる。
外面だけ煌びやか、中は欲望渦巻く醜悪な世界の人ではない。およそ夜叉のような人ばかりの地上にまさかの天使がいる。かつて聴いた降り注ぐ無償の愛の歌がそこにある。
エリックが心の奥の奥に押し込めて守っていた大切な思い出は天使の歌声によって扉が開かれようとしていた。
クリスティーヌからすれば仮面の大きさやエリックの怯えようから、痣はある程度予想できているはず。
遠目に痣だけ見たのだったら、近寄れないかもしれないしそれはそれでびっくりするとは思うけど、悲鳴を上げて逃げるまではなかったのではないだろうか。
仮面を外したエリックはクリスティーヌが想像していた28歳の青年ではなかった。青年の姿をした傷付いた5歳児がこっちに向かってくる。いやそうさせたのはクリスティーヌなのだけれど。
クリスティーヌは顔の痣だけにびっくりしたというよりも、顔の痣を象徴としたその異様さ異質さに思わず悲鳴を上げて思わず逃げてしまったのか。
過去の重さを受け止めきれなくて、という見方もあると思うけど、クリスティーヌ戻ってきてますし。想定外の出来事に思わず、かなあと。その時見たお芝居から私はこんな風に感じました。
その後お芝居も変わってクリスティーヌがワナワナと震えて後ずさり、とかになっていたら過去の重さが、と思うかもしれない。
だいぶ忘れてしまっているのでまた新鮮な気持ちで見たい。
各所、感情の余白があるのもいいですねえ。望海さん真彩さんの声がうますぎなのは言わずもがなですが、お芝居が大好きです。ダンスも素晴らしい。顔も倒れるほど良い。もうなんて贅沢させてもらえるのでしょう。書ききれませんが雪組全体が素晴らしい。
ファントムが毎公演凄いことになっているようなので、待ち遠しいものです。
雪組ファントムは、長く宝塚の歴史に残る伝説の怪物公演になるのでしょう。
千秋楽と思うと寂しさがありますがラスト公演になるライブビューイングを目一杯楽しみたいと思います。
後日追記、この記事を書いた時は顔の痣(あざ)と書きましたが、原作ではかなりの奇形のようです。衣装係ブケーが恐怖のあまり転落したことや生まれたばかりのころキャリエールが悲鳴を上げたことを思うとやはり見た目は相当だったと思い直しました。何回か見ると受け取り方も変わりますねえ。追記終わり。
お読みいただきありがとうございました。
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