ちぎみゆ小説的感想『手紙』(宝塚スタートークより)




はじめに

ネスレ宝塚スタートークの早霧せいなさんから咲妃みゆさんへの手紙の回、泣けました。

ゆうみさんが涙をこらえ切れずに顔を伏せる間も、ちぎさんからの手紙は涙で濡らさないようになんとかそのままの位置を保っていましたね。

さて、ちぎみゆ好きは映像を見ていると、この時どんな心境だったのかしら、といろいろ想像してみてしまうものです。

文末が「〇〇かしら?」「でしょうか?」ばかりの文になってしまいそうですので(基本そうですけど)、いっそのことまた小説っぽくしてみたいと思います。

便宜上、小説風にしましたが、一応本当は(〜と思ったかも。)という文章が省略された想像含む感想です。

温かい気持ちで読んでいただける方はお進みくださいませ。

では、失礼しまして。ごゆっくり。

ちぎみゆ小説風感想『手紙』

収録を終えて

バッグを大切に抱えての帰り道。ちょっと不自然に見えたかも。

風が冷たいけど、でもこうしているだけで心がポカポカしてくる。

中にはクリアファイルに収めた一通の手紙が。

ちぎさんから私への手紙。私の一生の宝物となった。

収録後がこんなに幸せな気持ちになるなんて…

ほんとに今日は泣いたり笑ったり、感情が忙しい日だったな。

自分の部屋に帰ると、ソファにバッグを静かに置いた。

目を閉じて、まずは一度深呼吸をして落ち着いてみる。

スゥーー

ハーーー

 

よし。

 

バッグを手に取ると、ちぎさんのクリアファイルから封筒を取り出す。

白と青のさわやかな封筒を選んでくださった。

そこにはあの人の文字で

「咲妃みゆ 様」と。

 

ああ、本当にちぎさんの字だ…

ちぎさんがこの手紙を書いたんだ…

ちぎさんが私のことを考えて書いてくださったんだ…

そう考えるだけで目頭が熱くなってしまう自分がいる。

うっかり手紙に涙を落とさないようにしないと。

 

そっと手紙を開ければそこには優しいちぎさんの字。

「ゆうみちゃんへ」

 

ああ、やっぱりまた…ちぎさん、ちぎさん、ちぎさん!

私の気持ちと同じ気持ちでいて下さるなんて…!

今すぐ、ちぎさんに会いたくてたまらない…

「ゆうみちゃんへ」

とある秋の夜、月も高くなったころ、私はまだ考えていた。

仕事とはいえ、ゆうみちゃんに手紙を書くことになるとは。

実際書こうとすると何を書いたらいいのかわからない。

挨拶文のあとですでにつまづいている。

 

私はウソが苦手だ。いや、ウソをつけないというのが正直なところ。これまでインタビューでも話せることはなるべく率直に語ってきた。

手紙でもこの今の思いをそのまま書いてもいいだろうか。

 

退団後の初の舞台が終わり、ようやく本当の退団を迎えた気持ちになった。

忙しいと思う余裕もなくトップとして務め、休日さえも「一生懸命休まなければならない」という使命から解放された。

これからは一人の人間としてしっかり地に足をつけて歩まねばならない。

OG生活は新鮮で楽しい。

とても。

とても…

視野も広がっていくし、多くの刺激も受けている。

でもなにかが足りないことに気がついてしまった。

それは新しいことでは埋められない、私の胸の奥の方で。

 

この秋の澄んだ空の月はとても美しいが、一人で見るには寂し過ぎることがある。

星降る夜、樹々のさざめき、路傍の石、様々な森羅万象が、これまであたりまえすぎて見えていなかった。

区切りがつき、余裕ができたからこうしてあたりまえの事をようやく感じることができた。

そしてゆうみちゃんのことも…

在団中、いつもあなたは隣にいた。

舞台も稽古も取材も。

本当にいつでも、私のそばにいた。

余裕がなくて、あたりまえすぎて。

見えていなかったのは私だ。

この世であたりまえに存在するものなど、何ひとつないことにも気がついていなかった。

 

必要とはいえ、厳しくしてしまってすまなかったな。

例えばリフトされる側にとったら「もっとリフトする側がしっかりして!」と思ったかもしれない。

ようやく私もその立場になってわかったものだ。

 

そして面白さ。

幸い仲の良いOGに面白い人が多くてありがたい。SSでできた仲間もある。

人間にはユーモアが必要だと思う。

そして自分のユーモアさを引き出させてくれる人。

これもかなり重要なんだ。

ゆうみちゃんといると必要事項の話でもいつのまにか漫才になっているから不思議だ。

決めたわけでもないのに明確なボケとツッコミの関係。

トップコンビだったからさしずめ「夫婦漫才」か。

私は3年間、「結婚」しているつもりだったから。

あの時の発言は冗談っぽくしたが、本心ではそうだった。そのくらいの覚悟で臨んでいた。

今度のテス役は実はそんな状況が共通するとこだ。

 

それにしても夫婦漫才コンビを解散して迎える秋の夜の、なんと長いことか、なんと静かなことか。

正直に書こう…

….

あなたがそばにいないからだと。

収録中、あなたは泣いてしまうかもしれない。

いや、泣き虫のあなたのことだ、きっと泣いてしまうことだろう。

いつもあなたを泣かせてばかりですまない。

でも、どうか許してほしい。

 

この手紙を書いている、私の頬に伝う涙に免じて…

ペンを置き、髪をかきあげながら机から離れる。

ふう。やっと書けた。

手紙は緊張するなあ。

ゆうみちゃんに直接会って言えば早いのに(言わないけど)。

手紙を書くのが本当にこんなに大変だとはな…

 

早霧さんをこんなに働かせた賃金は高いぞ!

どうして払ってもらおうか。

 

よし、ゆうみちゃんの収録が終わったら速攻一緒に観劇して…

それだけじゃ足りないな。

さらに残業でスケートに付き合ってもらおうか。

ゆうみちゃんと出会ったころ、比翼の鳥のように片手を広げたあのポーズ。

スケートをイメージすると、頭の中にふとあの時のゆうみちゃんの顔が浮かぶ。

結局、今でも掌の上で転がされているということか。

そこで泣く意味がわからない時もしょっちゅうだけど、泣いたり笑ったり、表情がクルクル変わる忙しいゆうみちゃん。

こんな面白い生き物は放っておけない。

この縁はそうそう切れると思うなよ(笑)!

私の心は久しぶりに賑やかになった。

窓の外の星たちもクスクスと笑うように煌めいていた。

(完)

おわりに

いやあ、失礼しました。

いかがでしたでしょうか。

どんなことを考えながら書かれたか…

率直な気持ちを出してくれるちぎさんでしょうから、きっと手紙もちぎさんの正直なお気持ちだろうと思います。

お二人の間には特別な縁がある。

今回のちぎさんからのお手紙であらためて思いました。

実際のところ、お二人のことはお二人にしかわかりませんが、こうしてトキメキをくださることに感謝です。

収録日の翌日は観劇&スケートデートができてよかったですね♡

お読みいただきありがとうございました。

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2 件のコメント

  • 長い間待ち望んでいました!

    ころんさんの小説ほど、ちぎみゆ萌えを刺激されるものはありません〜ありがとうございました。2人の共演を観たいです、女同士でいいので。

    新しい記事でひかりふる路のことを書かれていますが、とても一回だけの観劇では消化できず再演を望みます。勿論今のメンバーで!暗くてつまらなさそうな凱旋門をひかりふる路に替えてくれたらなぁ。

  • 七海ファン様
    いつもメッセージありがとうございます!
    喜んで頂けるといいなあ、と思って書いたのでよかったです〜〜!
    すべてはちぎみゆのおかげなのですけど(^^)
    そうですね、いつかお二人の共演が叶うといいですね!ファンにとっても夢ですね。

    ひかりふる路は是非もう一度!と思いますよね!1本ものではないところが可能性を残していると思います。
    凱旋門ははてさて、どうなることやら。
    ありがとうございました!

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