こんにちは、はぴごろもです。
阿部寛主演「まだ結婚できない男」は12月10日に最終回を迎えました。
感想は人それぞれで楽しめたり、中には「酷評」なんて記事も見かけましたが、私は毎回楽しく視聴することができました。
1話で完結する話や何話かかけて展開していく話、あるいは人間の心の変化や新たな発見。婚活アプリやネット中傷問題など今どきの時事ネタから、普遍的な恋愛や結婚のテーマ盛りだくさんをライトに楽しめる作品、細かいところはつっこんでも良し、流しても良し。お好みで楽しめるでしょう。
私は元々は、英治(塚本高史)の同僚社員でのち結婚することになった「桜子ちゃん」こと咲妃みゆさん目当てで今作から見始めたのですが、ドラマ全体としても良い作品だったのではと思います。
チェインストーリーも面白かった。公開は12月17日までです。間に合えば是非!桜子ちゃん演じる咲妃みゆさんの可愛いさは天使級です。
こちら、公開期間は明日12/17までです💕#まだ結婚できない男 チェインストーリー #8.5 森山桜子の、新たな悩み GYAO!で無料配信中! #GYAO https://t.co/yWiY3qoOix
— 咲妃みゆ”First Bloom” (@miyu_firstbloom) December 16, 2019
前作ファンも考慮しつつ、今回からでも十分楽しめるように脚本されたのではないかなあ。
最終回では主人公:桑野信介(阿部寛)と弁護士のまどか先生(吉田羊)の急展開がありました。
その前までは、カフェの店長・有希江さん(稲森いずみ)とちょっといい感じを匂わせておいてからだったので恋の展開としては面白かったと思います。
もっとも、有希江さんとは「恋」に発展しそうだったのに対してまどかさんとはあまり「恋」という雰囲気はなく。
普段は偏屈で独善的、場を読まずにご高説たれまくる桑野であるが、時折不器用な中に見え隠れする彼の良心はピュアで魅力的。
「巧言令色鮮し仁」(「意外と」学があった棟梁(不破万作)の発言)とは逆のタイプで、彼にとって表現しにくい面:本心や良心を、あえて御託を並べ立てて隠していたかのようにも感じた。それが彼のこだわりであり個性であったかなと。
最もそれが如実に現れたのは、英治くんと桜子ちゃんの結婚スピーチの場面でした。英治と桜子はまばたきもせずに涙を堪えながら桑野のスピーチを聞き入っていましたね。
そのご高説の垣根で鉄壁ガードしながらも、ピュアな中の人(良心)はちらちら姿を見せる。まどかさんを中心に桑野の周りの人も、彼を「偏屈な人」とだけでは見ておらず、彼のそんな一面を発見するたびに外の面も併せた魅力にひかれていったのかも。
まあ、桑野は現代だったら、何かしらの診断を受けてもおかしくないほどの特徴的な個性の持ち主である気がするが、桑野の母がドーンと大きく構えた存在だったことは彼にとってよかったと思う。
社会の規範的存在のまどかさんは桑野のペースにさんざん振り回され、時にはハッとさせられ、いつしか心の多くに桑野がいる状態に。言いたいことが本音で言い合えて、喧嘩もするけど仲直りもできる。それもまた良し、なのでは。
一般的な「恋」というもんではないけど大人になりすぎた大人たちのドタバタながらも魅かれあう展開だったかと。
ここで急に『動物のお医者さん』(佐々木倫子)の話で申し訳ないですが、ご存じでしょうか。
主人公の獣医師の卵:ハムテルに開業話が出たときの話。それまで学生生活で苦楽を共にしてきた友人:二階堂と、なんとなく別々の道へ行く展開に。ハムテルはやはり開業は当分見合わせる、と家族に打ち明けます。
「二階堂がいなくなってひとりで診察ができるかと考えると…
ま できるだろうな と思うんですが」
「ひとりでは どうも勢いがつかないですよ…」
(「動物のお医者さん」12巻P188より引用 太字は筆者による)
とハムテルは言いました。
別にハムテルと二階堂の間に恋愛関係があったわけではないのですが、なんかその人がいないと張り合いがでない、いつも一緒にわちゃわちゃしていた人がいなくなると思うとほっかり穴があいたような気持ち。
状況は全然違うけど、まどかと桑野もそんな思いだったのかも、とちょっと思い出しました。
独りで歩んできた”人生の珍道中”も、もう一人いれば楽しい。薬丸さんからの学びもありましたね。桑野さんとまどかさんは結婚あるいは結婚に近い状態までになったと想像しますが、桑野の変化というよりは元々持っていたものが、周りの人たちとのきっかけが重なって表出したのかも。
人は道連れ世は情け。
とは言え、桑野の偏屈さは筋金入り。
これからも目いっぱい人を振り回しながら、桑野さんとまどかさん、他周りの面々はなんだかんだでドタバタ幸せな道を歩むのではないでしょうか。
ドラマの最後、大小の寄り添うバナナの房を見て、ほんわかそんなふうに感じたことでした。
お読みいただきありがとうございました。
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