『琥珀色の雨に濡れて』感想③シャロンとフランソワーズ




はじめに

『琥珀色の雨に濡れて』DVDの感想を2回書いたのですが、途中になっていました。

自分でもだいぶ忘れてしまったのですが(笑)、またもう少し書いてみたいと思います。

『琥珀色の雨に濡れて』DVD感想①

『琥珀色の雨に濡れて』DVD感想②

そうそう、前回はクラブフルールにてクロードがコルベールに絡まれたシャロンを助けたところ。

事の始終を見ていたフランソワーズと気の乗らないタンゴを踊るクロードまででした。

この作品、とっても大好きな作品になったのですが、ひとりひとりを見ていくと、かなり自由な考え方・行動をしているのに気が付きます。

主人公たるクロードもかなりのものですが、フィアンセのフランソワーズもしかり。一見クロードもフランソワーズも四角四面で真面目なようですが。

ちょっと無粋になりますが、ネタと思ってご寛大に読んでいただけるとありがたいです。

フランソワーズについて

まず、フランソワーズですが、フィアンセがクラブで危険な男と喧嘩になりそうになったらなんとか止めようとしないでしょうか?恐れで一言も発せなかったか?

用心棒がいないのなら、その場にいる男の人たちで一斉に取り押さえてもらうように頼むとか。いくら元軍人でも相手が飛び道具などを使う可能性もあります。

その場で勝ったとしてもあとで集団で仕返しに来るかも。クロードもフィアンセもいる身なのに危険すぎる行動。

幸い事なきを得たのですが、シャロンに心奪われることを心配するのも分からなくはないですが、踊っている場合ではないかと。

まずはフィアンセとしてクロードの無事に安堵し抱きしめたくならないかしら。

そしてクロードの向こう見ずの勇気(故事成語でいうと暴虎馮河ぼうこひょうが)を諫めるべきではないでしょうか。

命がいくつあっても足りません。

もう一つ。場所は変わり、ニースまでクロードを追って来たとき。

ちなみにパリからニースまでの距離をネットで調べましたら最短ルートで851.1 km (所要時間12時間17分)でした。

当時の自動車や道路事情を考慮すれば倍の24時間がかかったのはうなずけます。同じ列車には乗らなかったがなかなかの執念を感じます。

ナビはないから地図を見て一昼夜かけて来たのでしょう。

ホテルに着くなり疲労困憊でバッタリです。

でもバッタリするなら車の中の方が迷惑がかからないし体も休まるのでは?

ホテルの真ん前に(ブレーキ音が近かったから玄関横づけだろう)車を止めて何も言わずにロビーのソファーまで歩いていって横たわる度胸、恐れ入ります。

そこまで歩けたのなら目的を達成してからでもよかったのでは?

せめて「やめて!私、疲れてるの!」ではなく、「まことに申し訳ありません。人を探しに来たのですが、疲労困憊してしまったので少し休ませていただけないでしょうか?」でしょうか。

フランスの方々の考え方は羨ましいぐらい自由だなあと思います。

しかしその後いろいろクロードがやらかしても、すべてを受け入れて生活を共にしたフランソワーズの寛容さは頭が下がります。

いろいろ書いてしまいましたが、フランソワーズを演じた星南のぞみさんはとっても気品がありきれいでした。

今後、もっとグッとお芝居に入り込ませてもらえたら最高です。ぜひ期待したいです。

シャロンについて

シャロンも冒頭クロードと初めて会ったときに自分は名乗らず次々と取り巻きたちをクロードに紹介するさま、自由だなあ、と感じました。でも登場人物が把握できていいですね。ありがとうございます。

あの長いセリフを軽やかに言える真彩さんにうっとりでした。もしシャロンが日本人だったのなら「小鳥遊(たかなし)」という苗字が似合うでしょう。

しかし自由と思いきや、実はシャロンは自分を律していたのでは、とも感じました。

成り上がり者の自分が高潔であるために厳しく自分をコントロールしているのでは。

取り巻きたちは表面上の着飾った自分に価値を見出す。

素の本当の自分はそのベールの内に秘め、自由を振りまくフリをしながらなんとか自我を保っていたのでは?

クロードの内面までまっすぐ見るその眼差しに惹かれ、初めて自分の心をさらけ出して「嬉しい」と答える。

二人の会話ではなんの美辞麗句もない素直な言葉のやりとりが印象的でした。

最後は機を逸してクロードと決別します。

クロードに代わり考え、自ら再び自由を演じて元の世界に戻ることにより退いたのでした。

愛はそのままにして…。

後日、琥珀色の雨を見るために訪れた地でクロードとすれ違いますが、また同じことの繰り返しはしません。よくわかっています。しかし素直に「嬉しいわ」と心の中でクロードに語りかけるのでした。

現実的に触れ合ったり言葉を交わしたりというのはなかったにしろ、まことの愛がそこにはあったのでした。

おわりに

作品前半では自由さに思わず突っ込んでしまいすみません。

でも皆それぞれ真剣なのだと思います。

対照的な女性2人、それぞれの立場でその時そのようにしなければならなかった自由さの中にある弱さを感じました。

作品を書いた柴田侑宏氏はその弱さにも愛を持って書いていたのでは…

私もだいぶ自由な感じになりましたが(私の場合は単にまとめ力の問題だが)このあたりで失礼します。

またクロードについても書ければいいなあ。今頃、ですかね?

追記、だいぶ後に書きました。

『琥珀色の雨にぬれて』クロードはアレだけどやっぱり泣ける

お読みいただきありがとうございました。

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