『凱旋門』②ボリスがすごい件について




こんにちは、はぴごろもです。

雪組『凱旋門』の感想などまた書いてみようと思います。今回はボリスが主の個人的な雑感です。

先行画像やポスターもそうでしたが、DVDのパッケージもバランスの配慮が感じられます。

「雪組公演『凱旋門』」と表示の出たあと、「専科のー」と開演アナウンスがあるので、一瞬「あれ?」となり、ああそうだったと思いつつ始まる。

望海風斗演じるボリスの登場で一気にパリの世界へ。心地よくこのまま身を任せていたい、このままボリスの話が進んでいくのだろうとなぜか再び勘違い。ここのところ望海さん主演作品ばかり観ていたせいかもしれない。ラヴィック(轟悠)登場により、そうだ、主役ではなかったな、と気がついた。


でもだいぶボリスを膨らませてあるようで歌声や芝居を堪能できた。ラヴィックの友人でありストーリーテラーでもあるボリスを通して恋や復讐を見守った。

『凱旋門』の曲は素晴らしく、情景を色鮮やかに、そして心情を深めてくれる。やはり『いのち』は圧巻だった。望海さん中心の雪組コーラスは最高だった。込み上げるものがある。追加された「手術」の歌は苦しい歌かと思いきや、ジャジーで軽快。ルキーニ(『エリザベート』)が歌っても似合いそうだ。

見た目の年齢の差はやや感じるものの、ボリスの振る舞いはラヴィックの友人らしかった。口は悪いが友人として良くわかっている。そして処世術を心得ている。

「あんな女のどこがいいんだ」

身を隠して暮らすラヴィックにとっては、似つかわしくない厄介な女であることは明白だった。

KY(空気読めない)のではなくKY(危険予知、労働災害における言葉だけど)ができる理性的な女でなければその身が危険に晒されるであろうことは直感してわかるのだろう。女も巻き込むことになってしまう。それだから「女は行きずりに限る」のだろう。

そんな言い方なのだが、ラヴィックを強く諌めるでもない。わかっていながらも身をやつしてしてしまうのが恋であること、ボリスの若かりし経験から知っているかのようだ。

ボリスはただのドアマンではなく、なかなかの人物。ラヴィックに突然頼まれ、ジョアンを就職させることができる。シエラザードの支配人にも口利きができるらしい。

ロシアからの亡命者でありながら、フランスで暮らせる身分証を保持している。なんならもう一つ手に入れているのだから裏の世界に明るいと言えるだろう。前職の近衛兵の経験や人脈があるのだろうか。ボリスは人生の扉をも開く人物だったのだ。

望海さん、タートルネックだったけど有り余る演技力と歌唱力に魅了された。友人役とストーリーテラー役の切り替えが自然でもちろん滑舌も良いので心地よい。

ただ真彩さんとの絡みがこれでもかというほどないのは残念。電話の受話器をジョアンに渡すときに一瞥をくれるのが唯一だったか、そこを何度もリピートしたことをそっと付記しまして今回は終わりにします。

ボリスを書いたのでラヴィックやジョアンや他の登場人物も書いておかねばという気がしていますが、今更なところの気力と時間の都合と私の記憶に依ります(心もとない)。

お読みいただきありがとうございました。

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