『ドン・ジュアン 』感想①~ドン・ジュアンを愛した人たち~




『ドン・ジュアン』がアツい!

こんにちは、はぴごろもです。

オンデマンドで配信された雪組望海風斗主演『ドン・ジュアン 』(2016年)を観ました。

初めて観たのですが、いやあ、もう、なんと言いますか。圧倒されまくりました。

これほどまでにすごい作品だったとは。知らなんだ~!どうもすみません〜!

ということで今回は『ドン・ジュアン』の感想などを書いてみたいと思います。

 

この作品はモリエールの戯曲、またモーツァルト作のオペラ『ドン・ジョヴァンニ』が元だったのですね。

好色の代名詞にもなっている”ドンファン”のことでしたか。

伝説では石像により地獄へ引き込まれたのだそう。

悔い改めなかった者の末路はこうなるとー。


ドン・ジュアンの放蕩三昧は決して容認できるものではありません。フランス産ミュージカルが元ですが、彼がそうなった背景に思いを馳せ、最後に彼なりの義を見出そうとしたところは生田大和先生独特の演出によるところも大きいのでしょうか。

タイプは180度違えど、恐怖政治に走ったロベスピエール(『ひかりふる路』)を彷彿とさせます。

楽曲が豊富でどれをとっても素晴らしかった。スペインのフラメンコがベースとなり情熱の風を吹かせます。

また、タップの演出が良く、高鳴る鼓動や緊迫する場面に臨場感を持たせていた。

文字通り軍靴の音としても使われ、まもなく干戈を交えることになるであろう緊迫感が伝わってきました。

宝塚ではスペインの舞台やショーがありますが、どちらも黒髪で黒目ですから目鼻立ちの良いタカラジェンヌが演じるのはとても合いますね。

熱いキャストたち

ドン・ジュアン役の望海風斗の表情は鬼気迫るものがあり、真にラテンの熱い血が流れるようでした。楽曲が悉くハマっていて感情の昂りや崩れていくさまをありありと描き出しました。

ドン・ジュアンの父ドン・ルイ役の英真なおきも演技・歌とともに素晴らしかった。彼は妻を亡くしてからというもの、うまく愛情の表現ができないながらもずっと息子を案じてきたのだろうか。

イザベル(美穂圭子)はさすがの歌声。頼もしい声帯。ドン・ジュアンの魅力に取りつかれた彼女も彼女なりの愛情で舞台を通して彼を見つめ続けた。

ドン・カルロ(彩風咲奈)はドン・ジュアンの友人。ドン・ジュアンとは正反対の性格。彼もまた友人として愛し、ドン・ジュアンに煙たがれながらも品行を正そうと奔走した。元々は心優しい性格であったことを知っていたからであろうか。

騎士団長、そしてほぼ亡霊役を演じた香綾しずるも最高だった。立ち居振る舞いが騎士団長の亡霊(見たことないけど)そのもの。ドン・ジュアンに苛烈な呪いをかけながらも最後まで彼を導いており、ただ呪うだけではなく彼と娘の尊厳を守る役であったか。

ドンジュアンの妻、エルヴィラを演じた有沙瞳の演技に引き込まれました。演技・歌もうまく力強い。素晴らしいですね。

ラファエル(永久輝せあ)は堂々たるもの。望海風斗との決闘へとなる対峙は震えました。若さと熱い血潮を感じさせました。

フェルナンド/アンダルシアの美女(煌羽レオ)2役でびっくり。得した気分。でもやっぱり男役がかっこいいですね。

マリア(彩みちる)ドン・ジュアンにとってまさに救いのマリア。虚飾ではない本当の美しさ、内なる輝きを感じさせた。歌はあと一歩期待したい。

少年ドン・ジュアン(野々花 ひまり)まだ純真無垢だったころのドン・ジュアンが可愛い。当たり前のようにあった溢れる愛。その中でも最も愛した母の急死により彼の中でバランスが崩れてしまったのだろうか。

全体を通してとてつもない愛が溢れる物語だと感じました。

父母の愛・妻の愛・義父の愛・友人の愛・一夜を共にした女たち、みなそれぞれにドン・ジュアンを愛していたのだと。

キャストを中心に書きましたので、次回は内容をもう少し書きたいと思います。

翌日、書きました!

『ドン・ジュアン 』感想②~貪る愛から守る愛へ~

↓こりゃ誰しも惚れるでしょうねえ。ドン・望海風斗・ジュアン。いい男だわ〜!

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