気を付けたい著作権
宝塚はとても多くの人に愛されています。宝塚のブログを書かれている方、またツイッターやインスタグラムなどSNSを利用されている方、大変多くいらっしゃるかと思います。その時、気を付けなければならないことの一つに著作権があります。
私は宝塚に関するブログを書き始めた頃は著作権についてほとんど知識はありませんでした。しかし、知らない間に法律違反やルール違反をしてはいけないなと思い、ブログを更新しつつ都度ちょこちょこ調べまして、そうした中でブログやツイッターを利用しています。
実際ツイッターやインスタは著作権侵害の恐れがある投稿が無数にあります。ユーチューブもしかり。程度の差はあれブログにも散見されます。
ブログやSNSを利用するのにあたり、著作権にひっかかりそうな部分、またはこれは良さそうなものを挙げてみたいと思います。
ただし、著作権は細かく分かれた権利の束であり多岐に渡るものですので、特に気を付けた方がいいのでは、と私が感じているところのみになります。
宝塚歌劇団は著作物の集合体
宝塚歌劇団の出演者の写真、台詞・歌詞、音源・映像、公演チラシ・ポスターなどなど、すべての著作物の著作権は宝塚歌劇団(または関連会社)に属します。
許可なく複製・改変は法律で禁止されています。公式HPにも明記されていますね。そもそも禁止事項の記載の有無に関わらず、創作物は創作された時点で著作権が発生します。
公表後、70年間は著作権法の保護期間ですので、その期間内の作品は個人的な利用を超えての利用は制限されます。
インターネットを利用して映像・画像などをアップロードすることは個人の利用範囲を超えることにあたるので控えなければいけません。下記、具体的に挙げてみます。
ツイッター・インスタ等で法律違反の恐れがあるもの
DVD・Blu-ray、スカイステージなど有料チャンネルの動画、スクリーンショットなどの画像
短い動画でも画像でも、人が映っていなくとも、一部でも、加工しても、無許可でアップロードしてはいけません。有料放送のアップロードは劇団へのダメージがとりわけ大きいでしょう。ご贔屓の素晴らしさを伝えたい気持ちにかられての行動でも、逆に足を引っ張る行為になりかねません。
地上波テレビで放映された放送の動画、画像
有料無料チャンネル問わず著作権があるので無断使用は違法となる可能性があります。録画した映像は個人またはご家族の範囲で楽しみましょう。それ以外の範囲は「個人的な使用を超える」ものとなってしまいます。
ラジオで放送された音源
画像はなくともラジオも著作物です。個人で私的に楽しむ分ならば録音は認められますが、アップロードしたり配布したりするのは違法にあたるでしょう。
公式HP、TCAなど人物や商品ほかすべての画像
・「歌劇」「グラフ」「ルサンク」「写真集」の中身や表紙の画像
書籍の中身をネットにさらすのは厳禁です。これから楽しみにしている人の気持ちを踏みにじる、ということもありますが、それ以前に法に触れてしまう行為になってしまいます。
表紙も?と思いますが一般的に論文などの引用としてならばある程度認められるようですが、文章はそこそこにギャラリー的に利用するのは良くないかと。DVDやBlu-rayのパッケージも同じです。実際宣伝効果もあるでしょうけど、著作権的には絶対大丈夫!とは言えないでしょう。
TCAのショップの他、amazonや楽天などの販売サイトのリンクを貼るのは認められます。
TCAの商品などの画像をコピーして(加工しても)自分のブログやアカウントに掲載することは「個人の私的な利用」を超えることなのでできません。
また、文章も著作物ですのでスクリーンショットをしてアップロードすることも引っかかるでしょう。
画像や情報などは公式HPで各々確認してもらうようにしましょう。
・ポスター、チラシ
公演ポスターが発表されるとネット上にポスター画像が溢れます。宣伝になるので積極的にいいのでは?と思ってしまいそうです。あまりに画像が溢れているので、もしかしてこれはいいのかも?と思い、以前、私は劇団に確認させて頂いたことがあります。やはりこれも無許可はNGとのことでした。著作物ですので複製(画像をコピー)したり公衆送信(ネット上にアップロード)したりする権利は権利者または権利者から許可された者にのみあります。
例えばツイッターならば、公式または許可された者が掲載したポスターをツイートを埋め込みでブログに載せる形ならばOK。ツイートならばリツイートすれば大丈夫です。SNSなどで無許可の画像を掲載していても、ブログに埋め込むことは、間接的に著作権を侵害してしまう恐れがありますので控えましょう。ツイッターならばリツイートは控えましょう。PDFでダウンロードできる年間スケジュール表も著作物でしょうから、利用は個人的な使用に限られるでしょう。
タカラジェンヌの入出の画像
タカラジェンヌの入出の際の写真について。これは劇団の公式HPに明確に書かれています。入出時の撮影は許可されていますがネット上に載せるのは禁止です。肖像権侵害になる可能性がありますし、改善されなければ将来的に劇団が撮影不許可にする可能性もあるかもしれませんね。
ジェンヌさんを撮影したものは画像は撮影者の著作権の前に、肖像権を侵害しているので無効でしょう。それを二次利用して商売することはより悪質ですので、もし見つけた場合は劇団に連絡した方がいいでしょう。画像をネット上に載せることは、不正な商売を手助けしてしまう恐れがあるのですね。
SNSのアイコン
劇団やその他団体や個人が著作権を有するものは著作権者の許可が必要です。また人物が映っている場合は肖像権・パブリシティ権の侵害にもなります。肖像権は憲法第13条幸福追求権から解釈上認められる権利です。パブリシティ権は財産権的性質を持ちます。宝塚ではありませんが、アイコンを許可しているアーティストもいます。それ以外は利用できません。
ポスターを撮影したものを掲載
観劇に行った際にポスター前で記念撮影。撮影は良いけど、ネットに上げるのはどうかな?と思い調べてみると法律的にどうやら良くなさそう。ポスターを撮った写真は「複製物」なり、そうすると配布する権利は著作者または許可された者のみ、となってしまいます。これぐらいは、と個人的に思いますが、積極的に大丈夫とは言えないかと。宝塚OGの方々もよく載せているので(許可されているのか不明)なんとも言いにくいところです。
一般的に「風景の一部としてポスターが映り込みしました」程度はOK。写真の範囲の割合10%~20%ぐらいまでのようです。
一方、建物や屋外にある公開された彫刻や銅像などは撮影してネットに掲載までしてOKです。撮影者が著作者です。他人の映り込みには気をつけましょう。
他人が撮影した風景や建物や彫刻などの写真を利用する場合は、撮影者に著作権がありますので許可が必要です。著作者が不明な場合は利用しないのが賢明です。ネットで「拾い画像」もどうかすると著作権侵害の恐れとなる場合がありますので気を付けましょう。
ブログで気をつけたい「引用」。それは「転載」かも?
ブログでも気を付けることはSNSと同じですが、ブログならではのもありますので書いてみます。
公式HPで演目やニュースが発表されるとその記事の内容を「引用」する時がありますが、引用の仕方に注意が必要です。「引用」と謳っておけばなんでもセーフではありません。うっかり法律違反をしないようにしましょう。
主従関係がはっきりしているか
自分の記事が「主」であることがはっきりしていなければ「転載」になり違法の可能性があります。引用部分は必ず「従」でなければいけません。
例えば公式HPの公演の説明をすべてペタっと貼って「楽しみです♬」ぐらい書いただけでは引用部分がメイン文章となり、主従が明らかに逆転しています。
私には愛がある!劇団にとって宣伝効果がある!読者にとっても有益だ、と思っても「無断転載」となり違法にあたる可能性があります。グーグル先生からも、元々あるサイトと文章が同じじゃないかね!と判断され怒られる場合があるかもです。
引用はそもそも自分が記事を書くにあたり、「正当な範囲内」でなければならないので引用範囲を見直すか、まるごと引用したいのならばプラス自分のオリジナル文章を書きます。引用は記事全体の1割せめて2割くらいに抑えた方が無難なようです。
引用を利用してブログを書く人にとって、必須の知識だろうと思います。
自分の文章と引用をはっきり区別させる
引用部分を色分けしたり太字にしたり「” ”」でくくったりして明確に分けます。
公益社団法人著作権情報センターのHPより著作権法第三十二条「引用」の一部を引用してみます。
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
その際、引用先も明記します。一般的に引用先のリンクを貼った方が明確になりますが、ここでちょっと気を付けたいことがあります。
宝塚歌劇団のルールとして、リンクを貼る場合は事前に劇団に問い合わせが必要とのことです。さらに貼れるのは「トップページのみ」としています。「よくあるご質問・お問い合わせ」の「このサイトについて」に書かれていますのでそれに従いましょう。
宝塚のみならず、他のサイトを引用する場合はその利用条件に目を通しましょう。リンクについては法律違反にならない判例があるようですが(そもそもネットはパスワードを掛けなければ誰でも閲覧できるものだから)、引用するサイトに書かれているルールは守りたいですね。リンクの貼り方によってはリンク先のサーバーに負担をかけてしまう場合もあるようですし。
・違法に利用された画像などの引用
大元の投稿者が直接的な違反者になりますが、それに加担しないように気をつけましょう。ルール違反(入出の写真など)の投稿のリンクを貼ったブログを作らないよう、注意したいものです。そうしたサイトやユーチューブなどの紹介も控えたいものです。
まとめ
最後にまとめてみます。
・劇団の映像や画像などすべての著作物は勝手にネットにあげてはならない。
・ブログを書くときは「引用」にご注意。「無断転載」にならないようにしましょう。
・間接的でも著作権を侵害しないよう、気を付けましょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
というところでまだ歌について書いてなかったことに気が付きましたが、長くなりましたのでそろそろ終わりにします。
ちなみに歌詞も著作物ですので迂闊にツイッターで鼻歌できません。無料ブログの多く、あと知恵袋ほかジャスラックまたは著作権者と契約しているところなら可能です。それ以外は程度によると思いますが注意が必要です。タイトルは著作物から外れるので大丈夫です。
いろいろありますが、日本は法治国家ですので法律を遵守したいですね。細かいこともありますが、著作物は守られなければビジネスとして成立しかねるでしょうから。
そして知っていても知らなくても、違反は違反になってしまうので、法律、そして宝塚歌劇団のルールも守ってこれからも楽しくSNSやブログを利用したいですね。
私も著作権や劇団のルールのことについて書いたからには、うっかりしないように気をつけねば。(なのでこれを書いてから公開するまでに3ヵ月かかった小心者の私)
ちょっと堅苦しい記事になりまして失礼しました。長文お読み頂きありがとうございました。それではまた〜。
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