花組公演『CASANOVA』宝塚大劇場千秋楽のライブビューイングを観に行って参りました。
仙名彩世さん、大劇場ご卒業おめでとうございます!
私の時間の都合により最後の階段降りは残念ながら観られませんでしたが、その前の組長さんがゆきさん(仙名彩世さん)のメッセージを読み上げるところまで観ました。
しんみりしすぎないおもしろ要素も入れつつの感謝の気持ち溢れる、それはそれは温かなメッセージでした。
ちょっと違うところがあるかもしれませんが、すごいかつ面白いところはニュアンスでこんな感じでした。
音楽学校受験準備で発声練習場所に困って叔母(伯母?)さまに相談したゆきさん。叔母さまは四ツ谷駅の土手を提案したのだそう。通勤の人たちで行き交う人の視線を浴びつつ、受験の課題曲「サンタルチア」を熱唱するゆきさん。その姿を「絶妙な距離」で見守る叔母さま。すごい光景ですね!当時、歌声を耳にした人、羨ましい〜!
ネットで「四ツ谷駅の土手」で調べてみました。いいところだけど都心だからたしかに通行人は多そう。臆せず日々努力した結果が実を結んだのですね。
あとは元々は「目の覚めるような水色」が好みだったゆきさんでしたが、宝塚花組トップ娘役になったからにはピンク色が似合うことが絶対使命で相当な努力をされたそうですね。ピンクが本当にお似合いです。
受験までに一度も宝塚を観劇したことはなく、遠く宮城県から宝塚を挑戦して見事合格、そして花組トップ娘役になったこと。あらためてすごいなあと思います。
震災の被害が甚大であった東北の想いは並々ならぬものがあり、時には葛藤も相当あったことと思います。娘役の芸を磨き上げ、輝きつづけたことは娘役にとどまらず、宝塚の誇りとなったことでしょう。
千秋楽が3月11日ということで震災の日を思わずにはいられませんが、舞台は大いに楽しませてくれました。
ベネチアの街に繰り広げられる華やかな喜劇を。
明日海りおさん、カッコいいし歌はパワフル。仙名さんとの愛がドキドキ。れいさんすごい存在感。ちなつさんに目が釘付け。マイティカッコイイ。お名前がわからなくて申し訳ありませんが(プログラム売り切れ)芸達者がたくさんいらっしゃいます。
楽しい!美しい!豪華!面白い!ああ、宝塚って素晴らしい!
一言に娯楽と言ってもこうして娯楽としてファンに届けるまでにどれだけの労力を要していることでしょう。お金を払っているから、仕事だから「当たり前」ではなく、やっぱりなかなかないことつまり「有り難い」なあ、「ありがとうございます」と思わずにはいられません。
そして3.11にゆきさんが大劇場を卒業されるというのも感慨深いものがあります。各地で追悼行事がある中で、宝塚でもある意味そういった一面もあったのではと思います。出身地(仙台市と名取市)の名前を背負った仙名さん、明日への海の明日海りおさんとともに花組を引っ張り、被災地にとり明日への希望の光となってこの日に卒業されたのですね。うぅ。
8年前のこの日は水害で辛い記憶を持つ人がいらっしゃると思います。そこを考慮しての演目かはわからないですけど、私はそんな気がしています。水の都ベネチアで繰り広げられる誰も亡くなることのないハッピーエンドの作品ですよ。
作品の中で誰かが亡くなって涙が出るのはわりと簡単なのですが、幸せで涙が出るとは。第1幕は「楽しい!面白い!」と思ったところが多かったのですが、第2幕は幸せすぎて涙を流して見ていまして顔がベネチアの運河のように。観劇の経験が少ないせいもありますが、私は初めてのことだったと思います。
カサノバは明るく大胆で魅力的。追っ手よりむしろ女たちから逃げる方が大変なほどモテモテです。ハタから見たらカサノバは悩みがなさそうで自由でモテて羨ましい限り。しかしそんなカサノバも立ち止まって悩むこともあった。
元気に生きていくのは大事だけど、立ち止まって悩んだりすることも決して無駄ではない、時には必要なこともあることを教えてくれます。そして延々とは悩まず光の差す方を信じて進めば明るい未来が広がるのだなあと。
また知識は人や自分を助けてくれる。勉学の大切さを感じました。カサノバは誰も不幸にはしておらず、2人も人命救助をしています。そんな人の周りも幸せになっていくのですね。
ラストの裁きでは水戸黄門と大岡越前を合わせたような(語弊あるかしら?)スッキリ感があり、幸せな作品を見ることができて幸せな時間でした。
そしてコンビ愛好きとしてはみりゆきのコンビ愛が溢れる作品を見られて良かったです。みりおさんのゆきさんを見つめる表情といったら❤️
ゆきさんも「好きです!」(組長さんが代読されたゆきさんのメッセージより)になりますね。「人生が180度、いえ720度」変わったお人なのですね。うんうん、幸せ〜❣️
お読みいただきありがとうございました。
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